Project Ultra vapo    
−−−−−−−  SLOT版 Vapo改造  −−−−−−−− 2001/12/04


Vapoアップグレード募集が発端、SLOT版Vapochill改造話から苦節3ヶ月、遂に完成

Vapochillからの転用品は、コンデンサと戻り管(ベローズ)のみ、
EVAの試作、Vapochill解体、アキュムレータ製作、ケースの改造、
真空断熱ケース製作等々、転用品の他は殆ど手作り

私の担当分の冷却部分については、仕様や費用等、好き放題やらせて頂いたこと、
オーナーの四万十川さんに、感謝 !!! 感謝!!!

完成したマシンの実力については、オーナー直々に公開されるだろう。




EVA
このプロジェクトで製作したEVAは、第1回(試作)-4個、第2回-3個の計7個
内部構造は企業秘密、蒸発面積及び流速の確保と、金属部分の低熱抵抗を両立させた内部構造。

その内の最も高性能なものを使用。
蒸発温度とP4擬製コア温度から求めた熱抵抗は0.08℃/W
ほぼ最高の出来といっても過言ではあるまい。



冷凍ユニット










アキュムレータ

COMPをEVAよりも下に置いたため、COMPに対する液バックの危険が発生、急遽アキュムレーターを製作するはめに...
適当な手持ち部品があるわけでもなく、銅管の組み合わせにより製作。
オイル戻りを考慮する必要から、構造についてはバイブルとも言える参考書のお世話に....



サイトグラス

冷凍ユニットを弄っていると、どうしても冷媒が流れているのを見たくなるもの。
冷媒量調整が容易になるのと、その見たいという欲求のため取り付けた。
通常見える位置には無いが、断熱材の点検窓を取れば見える様にはしてある。


ペンシルドライヤ

Vapoアップグレード用のペンシルドライヤ、こいつはnullさんからの結婚祝いの一部とか....
ストレーナ兼用だから、細いキャピラリには必須だ



COMP

コロナの冷風機からベース込みで移植
真空引きの関係で、高圧側にもアクセスバルブを取付


コンデンサ

Vapoのものをそのまま転用
内部の洗浄は当然実施。
SLOT版Vapoのコンデンサは小さいので、カバーの丸穴を四角に切り欠き、通気抵抗を改善
COMPベースと一体化し、冷凍ユニットを構成



キャピラリ切替弁

Vapo式EVAの場合、キャピラリの終末部分は戻り管内蔵の1本、従って2本のキャピラリを使うとなると、どうしても集合部が必要、ここの加工が結構難しい。
切替弁は、asutaさんから頂いた4方弁のパイロット部、日本ランコ製VS6100B 4190分解品。
貴重な4方弁を提供頂いたasutaさんに感謝!!!
また、キャピラリチューブは、MAZさんに御尽力頂いて入手した内径0.5mmで、これまた貴重品



電磁弁

寝込み防止(ロータリーCOMPに寝込み現象があるのかは知らないが...)のため、遮断回路を設けた。
なお、遮蔽回路は、最悪の場合COMP破裂を招くので十分な注意が必要だ。

元々は、液冷媒をコンデンサに貯めておいて、立ち上がり時間を短くする狙いだった。
狙い通りとは言えないが、ある程度の効果はあったようだ。
ただし、停止の後の再起動は殆ど瞬発と言っても良い。

この辺りの情報はオーナーの評価を待ちたい



PCケース


ケース改造

お預かりしたのはフルタワーケース
当初、Vapochillと同様、ケース中上段に冷凍ユニットを配置の予定であったが、振動、熱、AC電源のノイズ等への配慮から、ケース最下部に冷凍ユニットを配置。

問題となるのは、M/Bの取付位置。
背面のパネル込みでM/B取付位置をバッサリ移してしまった。

コンプユニットは振動対策のため宙吊り
熱対策とAC電源ノイズ遮断のため、冷凍ユニットと
PC部はアルミ板で仕切り、前面吸気の背面排出の冷凍ユニット単独冷却、ノイズ、騒音、熱を閉じこめた



EVA固定
・結露対策
真空断熱ケース

ベース部は、M/Bに合わせて機械加工、Socket478のSocket周辺は殆ど更地状態といっても、チップコンやOSコン等回避すべき部品が結構有ったりする。
当初、EVA取付のアクリル板加工のみの予定であったが、真空断熱容器にチャレンジ
思わぬ所で漏れてたりで、結構時間がかかってしまった。
接着剤、シーリング剤、Oリング、グリースと、ある程度要点は掴めた。

それにしても、真空は難しい....



コードヒーター

一年以上も前に坂口電熱で購入した80ohm/mのコードヒーター、やっと日の目を見ることができた。
M/Bの裏表両面に.....
ヒータ線は、ほぼ髪の毛の太さ、つなぎ方が今後の課題



配管断熱

配管も-40℃以下になる可能性があるから、周囲温度との温度差は60℃以上、Vapoの直径約2cm程度の断熱材では滴る程の汗をかく。
それではと、直径2cmの発泡ポリエチレンと、直径4.5cmのAEROFLEXの2重構造としたが、そこまでやっても、表面は”しっとり”気味だったりする。



その他 モニターゲージキット

オーナーの希望で取り付けた圧力計
圧力計と連成計がコンビになったやつで、冷凍ユニットの状態が一目で解る。
スイッチ類と相まって、如何にも冷凍機械、されどPC



FANコントロール

バリタップというサイリスタ式電力調整器を使用し、AC-FANを可変化。
バリタップは電圧調整しているだけなのでシンプルだが、極端な可変は難しい。
超小型単相インバータがあれば.....

これは作るしかあるまい....



温度コントローラ

オーナーの希望で取付たomron E5CN 、熱電対は-200℃迄計測可能なTタイプ、取付場所に困ってEVAの上面に取り付けた。


冷却性能


先ず御覧頂きたいのは、部品取りしたVapo SLOTの能力。
出力僅か35WのCOMPで、しかもR134a、この健闘ぶりには目を見張る。
EVAの構造もなかなのもの、この辺りについてもオーナから報告があるだろう。
断熱や取付の問題は別として、P4を冷やすなら、Socket用のEVAよりも、Slot用の方が良く冷えるような気がしてならない。

さて、肝心のUltra
作動確認を兼ねて軽く走らせた結果では、R22の直冷機としては、まずは合格ラインかと.....
冷媒循環量を絞りまくれば-60℃も拝めるが、わがままなオーナーの希望はMax130W、
Max130Wを要求されれば、どうしても余裕をみるのは制作側の悲しい性。
グラフの赤線は短いキャピラリだが、たぶん160W位までは大丈夫だろう。
一方、青線で示す長いキャピラリは、凝縮圧の高い夏用の長いキャピラリ、P4にちょいと活入れした位なら、こちらでも十分だ。

EVAの熱抵抗は、低圧側の圧力から推定される蒸発温度とDHS温度から推定すると、60W以上の負荷領域で0.062〜0.084℃/W、負荷が少ないときの値は低く出るので、0.08℃/W辺りと見るのが妥当と判断。DHSや温度測定の方法は、"evaは冷えてもcoreは熱い" "Vapochill eva の性能評価"を参照頂きたい。



このホームページは日本国著作権法により保護されています。 無断転用はお断りします。


トップページへ戻る

ご意見/ご感想はこちらまで