Super X2
X2やCH-10Mの剛性アップは様々な方法があるようですが、出来るだけ原型を損なわない改造を試みた。 改造は1年半前に実施したものだが、X2のユーザーも増えてきたので、何かの参考になればと公開した。 |
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'06.03.11 masamoto | |
コラムを最も下げた時 100mmかさ上げしてますからテーブルには届きませんが、実際にはバイス等を使いますから問題はありません。 |
ヘッドを最も上げた時 スピンドル端からベッドまでの距離は370mmとX3並みです。 |
改造の概要 | |
X2の弱点は コラム根元のブラケットでコラムを支える構造は 殆ど片持ち梁状態で非常に弱い。 コピーされた?CH-10Mの弱点をそのまま受け継いでいる? ヘルスメーターを使った剛性テストでは、コラムの撓みはほぼゼロであっったにも関わらず、コラム上端では反り返る。 なお、X2のコラムは薄くて弱そうに見えますが、鋳物ボックス構造であり、私の計算では直径7cmの無垢丸棒相当の断面係数を持っており、少々では撓みません。 つまり、X2の弱点はコラムの支えにあるのです。 |
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当たり面を軽く削る | |
JFC45に乗せ、ラフィングで削ったが、鋳物表面はすごく硬い | |
補強ブラケット(コラムサポート)を加工し、仮組 そのままの状態で仮溶接 |
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取り外して全溶接 | |
溶接時に使用したマスク 細い溶接棒を数本使っただけだが、溶接時のヒュームによって わずかな溶接でも全体が茶色に変色 溶接作業にはマスクは必須 使用したマスクはDS1だが、こんなに酷いのならDS2を使うべき |
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コラム延長のブロック切り出し | |
大きなデンスバー(連鋳棒)から切り出し | |
非常に簡単に切断 切りカスは砂状、工房全体に鉄さびのにおいが漂う マスクをしないで切断すると鼻の穴は真っ黒 この作業もマスクは必須 |
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改造の内容 左から、標準、補強、補強+延長 |
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コラム延長に伴って、 コラムサポート上端には、コラム横方向の剛性アップとコラム軸の垂直確保のためピン穴を加工 その他、ラックの延長とバランサー位置の変更を実施↓ |
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ラックの延長 X2標準のラックでは長さが不足して十分なストロークが得られません。 そんなことで、SIEGから余分にラックを手配し、赤丸の位置で接いでいます。 |
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ラックを接いだ部分 微妙に歯面が合いませんが、気にしないことにします。 精密研削されたラックではありませんのでこんなものでしょう。 余談ですが、X2のZ軸微動はこのようなラックと、軸径の細いピニオンに頼る訳ですからあまり精度には期待しない方が良いでしょう。 |
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バランサー位置の変更 コラム延長によるストローク確保のためバランサー位置を変更しました。 |
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剛性評価 テーブル上にヘルスメータを置き、ヘッドを上限まで上げ、スピンドル下端とヘルスメータ間に鋼丸棒を挟み、ヘッドを下げて荷重を掛け、ダイヤルゲージでコラムの倒れ(撓み量)を計測、機械によって測定できる位置が異なるので、テーブル上面から計測点迄の高さを(Z=***)で参考に記入しました。 以上の改造で、格段に剛性アップ、一クラス上の卓上フライス並になりました。 |
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