大容量ペルチェの勧め −−−−−−− 大容量ペルチェを効率よく使う −−−−−−−− |
既にペルチェを使用されている方を対象としています。 ペルチェは、上手く使えば冷却の手段として有効ですが、熱源にもなりますから、充分な冷却や安全装置との併用をお勧めします。 また、大容量ペルチェは現在手配中であり、使用したデータは、ペルチェメーカーの資料(データシートやモジュール選定ソフト等)であり、 実験に基づくものではありません。 |
大容量ペルチェの入手方法 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.価格 |
標準 |
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option | 高さ調整(ラップ加工)・・・・200円/個 同時に注文したものに限り、厚さを揃えることが可能です。 標準仕様の±0.3mmの範囲内で厚さのバラツキを0.03mmの範囲に加工してくれます。 |
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送料 | 9枚以下は、送料800円 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2.注文方法 | 八坂貿易(株)にFAXで直接注文して下さい。 FAX03−3281−7471 |
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3.納期 | 2ヶ月程度 (ただし、在庫が無い場合) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
クライオサーモ社とは、 同社のHPによれば、1992年創業。 元々は、軍事用及び宇宙用のペルチェを1962年から作っていたようだ。 ソ連邦の崩壊により、民営化し、それまで蓄積した技術を基に、軍需から民需に転換したものと思われる。 |
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2001.01.07追加 ↓ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
入荷状態 (DRIFT−0.8) スポンジで保護されており、 干渉による破損防止対策がされている。 今回は特別にお願いして脚線長200mmで 加工して頂いた。 |
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側面は、防水シールされており、 脚線根元は、絶縁の熱収縮チューブで加工 防水シールは八坂貿易さんにお願いして、 可能であれば実施するとのことであった。 必ず処理されているとは限らないので、 注文される方は事前に確認下さい。 |
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高さ調整(ラップ加工)品の厚さのバラツキ実績 (DRIFT−0.8 2001.01.06入手品)
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次は効率のお話し |
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私の出した結論 ペルチェは、Qcmaxの50%以下で使え。 Th= 25℃・・・Qc < 36W Th= 0℃・・・Qc < 32W Th=-30℃・・Qc < 25W Th=-50℃・・Qc < 20W |
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なお、厚さの揃ったペルチェを入手でき、厚さの違いが0.02mm程度であれば、005℃と0.25℃で、殆ど問題にはならない。 |
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ペルチェの締め付け
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私の出した結論 ボルト一本にも気を遣え。 断熱ワッシャは思った以上に効果がある。 |
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バッファー板の伝熱ロス
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余談だが、 セラミック板を使っていない高効率のペルチェなるものが話題になった。 セラミック板は、アルミナが使われており、理科年表によれば、熱伝導率=21W/mKである。 セラミック板の影響がどの程度か、4cm角のアルミナ板で単純に試算してみる。 面積は1m^2の1/625、厚さは約1mmであるので、1mの1/1000である。 よって、21×(1000/625)=33.6W/℃ ペルチェの吸熱量が16W、排熱量が80Wとすると、吸熱側で0.48℃、 排熱側で2.38℃で、合計約2.9℃の温度差が出る事になる。 セラミックを使わないと、本当に優れているのだろうか? セラミックの代わりに、絶縁コートにプラスチックフィルムを使ったとして、 計算してみることにする。 仮に厚さ0.05mmの熱伝導率0.5W/mKのプラスチックフィルムを使用したとする。 (0.05mmは、ほぼコピー用紙の半分の厚さ、0.5W/mKは適当に入れてみた値) 4cm角とすれば、面積は1m^2の1/625、厚さは0.05mmであるので、1mの1/20000である。 よって、0.5×(20000/625)=16W/℃ ペルチェの吸熱量が16W、排熱量が80Wとすると、吸熱側で1℃、 排熱側で5℃で、計6℃の温度差が発生する。 ちなみに、ポリエステルフィルム、テフロン0.25W/mK、ポリエチレン0.3W/mKだから、もし、テフロンフィルムを使っているなら、温度差は12℃にもなる。 実際に使った訳ではないので何とも言えないが、 どう考えても、セラミック板が劣っているとは言いにくい。 また、資料は今年2月頃に、ネット販売している会社とは別の代理店から入手したものだが、 他社のペルチェとCOP比較がなされ、資料ではCOP=0.423に対し、比較された他社のものはCOP=0.372と0.322であり、 確かに高い値となっている。 ところが、添付されたデータをよく見ると、5A流したときの最大吸熱57Wに対して、相手は50W及び49W。 それぞれ、TH=35℃、TL=0℃、電流を5A流した時のCOP比較であり、容量差を差し引いても優劣が逆転するとは 思えないが、もし、千石やフェローテックのQcmax=80W品と比較していたなら、逆転する可能性は大きい。 Qcmaxの異なるペルチェで、COPがどうなるか、クライオサーモ社のペルチェで比較してみよう。 何れも4cm角、127素子のStandard Single Stage TEMのデータは次の通り。 TB-127-1,4-1,5 Imax=6.1A Qcmax=60W Umax=15.9V dTmax=70K(℃) TB-127-1,4-1,2 Imax=7.6A Qcmax=75W Umax=15.9V dTmax=70K(℃) TB-127-1,4-1,15 Imax=7.9A Qcmax=76W Umax=15.7V dTmax=69K(℃) TB-127-1,4-1,05 Imax=8.6A Qcmax=84W Umax=15.7V dTmax=69K(℃) なお、300K(+27℃)のデータだから、TB-127-1,4-1,2TB-127-1,4-1,15あたりが、いわゆるQcmax=80W品に相当するはずだ。 また、High Effective Single Stage TEM 4cm角 127素子のデータもついでにひろってみた。 TBシリーズに対して、こちらは高性能品だ。 FROST-71 Imax=6.1A Qcmax=61W Umax=16.1V dTmax=71K(℃) FROST-74 Imax=6.3A Qcmax=65W Umax=16.7V dTmax=74K(℃) ICE-71 Imax=8.0A Qcmax=80W Umax=16.1V dTmax=71K(℃) DRIFT-1,05 Imax=8.6A Qcmax=131W Umax=24.6V dTmax=69K(℃) DRIFT-0,8 Imax=11.3A Qcmax=172W Umax=24.6V dTmax=69K(℃) 次に、クライオサーモ社のモジュール選定ソフトで、TH=35℃、TL=0℃、電流を5A流した時のCOPを求める。 TB-127-1,4-1,5 I=5.0A Qc=29W U=12.0V COP=0.4800 TB-127-1,4-1,2 I=5.0A Qc=29W U=9.8V COP=0.5907 TB-127-1,4-1,15 I=5.0A Qc=28W U=9.5V COP=0.5971 TB-127-1,4-1,05 I=5.1A Qc=28W U=9.0V COP=0.6145 FROST-71 I=4.9A Qc=29W U=11.6V COP=0.5149 FROST-74 I=5.0A Qc=32W U=11.9V COP=0.5442 ICE-71 I=5.0A Qc=30W U=9.6V COP=0.6249 DRIFT-1,05 I=5.0A Qc=44W U=14.9V COP=0.5910 DRIFT-0,8 I=5.0A Qc=37W U=11.2V COP=0.6573 電流一定の条件では、容量の大きいペルチェの方が成績係数が良い傾向が確認される。 大容量の方が効率が良いと考えてほぼ間違いないだろう。 |
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参考迄に吸熱量一定で、TH=35℃、TL=0℃のCOPを計算した結果を右に示す。 大容量ペルチェは広範囲をカバーでき、特にDRIFT-0,8は24V仕様のペルチェだが、 何と、12V付近で使用するのが最も適しているではないか。 |
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私の出した結論 効率を求めるなら、大容量のペルチェを使え。 |
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CPUの発熱量 データシートを元に、gamaさんの式でCPU発熱量を計算してみて、びっくり!! 破線は、純空冷のO/C電圧を基に算出 更にO/Cするとなると、 Celeron及びP3で、50W以上、Duronで60W以上、T.bird(Athlon) に至っては、80W以上、P4で70W以上の発熱を覚悟が必要となることが判明。 更に、極限まで冷やすとなると、M/B他からの吸熱も考えなくてはならない。 |
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これだけの熱量を処理するには、 大容量ペルチェしかあるまい。 |
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